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Posted by 中津国 - 2011.01.28,Fri
「お前、妾の子にならぬかえ?」

「さあ愛しい我が子よ!妾の胎に帰ってくるがよい!」

てのを某少年雑誌で読んできた。J●mpn●xt。

この時点で嫌な予感がした人は展開しちゃだめだよ。


そっと左腕を取った。
いつもは子供体温で暖かいと感じるはずの掌には熱がなかった。
温かくも、冷たくもない。
命の温度のない手に指をからませた。
合わせた掌は明らかに向こうのほうが大きい。
いつの間にこんなに大きくなったのやら。
そんな感慨にふけりながら、その手の甲にそっと舌を這わせた。
味は、よくわからない。
けれど浮き出た血管や関節に沿って舌を這わせる行為に夢中になった。
それから張りのある肌に歯を立てる。
指の付け根。薬指。
痕が残るようにと何度も歯を立てて、吸いついた。
こんなもんだろうかと顔をあげてみる。
指の付け根から第二関節にかけて色づいて歯形がついてはいるが、求めていたものとは程遠い。
指輪のように、ならないだろうかと思ったのに。
もう一度指に歯を立てて、今度は手加減などせずに顎に力を込めた。
舌に甘みが走る。
夢中になって吸いついた。
がじがじと噛んでいれば少しずつ柔らかくなるような気がして、時間をかけて味わう。
鉄と同じはずのそれが酷く甘くて、気づけば掌と親指しか残っていなかった。
他の誰かと契る指さえもらえればよかったのに、欲が出てしまったと少し反省する。
ああ、でもまだ味わいたい。
今度は、右の腕をとった。

心が宿るのはどこだろう。
脳か、心臓か、それともその体を作る、髪の毛一本一本にまで浸透しているのか。
試しにその頭を掻き抱く様に胸元によせて、旋毛に鼻先をうずめた。
ぐりぐりと頬を擦り寄せながら金髪を食む。
飴細工は蜂蜜のような色をしているくせに、砂糖菓子のような味なんて全くしなかった。
これじゃきりがない。
やっぱり手っ取り早く心が欲しい。
その体を廻る命の始まりで、巡りつく先になら、心があるだろうか。
白い柵に囲われた一等柔らかい部分。
無理矢理檻を抉じ開けて、命の海に沈むそれを取り出した。
まるで中心に縛り付けるように張り巡らされた赤い糸が煩わしくて、力ずくで引き千切った。
両手にあっさりと収まってしまう命の中心。
恋を象徴するシンボルによく似た形を崩すのが惜しい。
ああ、でもやっぱり味わいたい。
惜しむように、愛しむように、ゆっくりと唇に運んだ。
鼓動を紡いでいたそれに唇を重ねると、言いようのない多幸感に捕われた。
歯を立てれば指よりは容易く欠片が口内に落ちる。
はく、はく、と一口一口をおしみながら。
いつまでもこの多幸感に浸っていたいのに、終わりはあっさりと訪れてしまう。
あれほどやわらかくて、あれほど心に近いものなんてもう残っていないのに。
そう考えて、

ああ、まだある。

素直に心を写す青色の鏡が、まだあるじゃないか。
たった二つしかないから、大切に大切に。
恐る恐る口内に導いて、飴玉のように転がした。
あまい。
砂糖水だとか合成調味料なんて不純なものは混ざっていない。
混じりけのない、只管に純粋なあまさ。
うっかり歯を立ててしまったらあっさりと割れてしまった。
溢れ出した液体もあまくて、でもやっぱりすぐに喉を伝って行ってしまう。
これが最後と、一対の片割れを口に運んだ。
いつも綺羅綺羅していたそのあおいろになら、心だって宿っているはずだ。
口内に広がる甘さとともに心が溶け込んでゆくの感じて、恍惚と瞳を閉じた。
余すとこなく体に納めて。
ああ、これでやっと。

「お前を産んでやれるよ、―――。」

血濡れた男は酔った瞳で睦言のようにそう呟いた。



なんだかんだ言ってカニバ書くの2回目な件について。
やっぱりヤンデレってよりは「病んでる」


で、こっから基になった漫画の話。

桃太郎をベースに書かれた鬼退治モノ、って認識であってるだろうか。
典型的な勧善懲悪もので鬼にスポットが当たってなかったからちょっと残念だ。
だってあれだろ、「鬼の気に障ると鬼になる」ってことは、あの一人称妾な鬼だってもとは人間だった可能性もあるわけだろ。

懐妊してたんだけど、なんかしらあって十月十日経つ前に破水しちゃって、仕方ないから帝王切開で産んだんだけど、未熟児だから丈夫には育たなくって、まだ子供のうちに死んじゃうんだよ。で、ああ、これは私がちゃんと産んであげられなかったせいなんだろうなぁって思って、「そっか、産みなおしてあげればいいんだ」の結論に至る。で、遺児をもぐもぐ。でもそのうち、”きちんと”産んであげられなかった子を産みなおすってより、他の子供を自分の子供として産みなおす方向に路線変更。そんでもって子供拉致ってはもぐもぐしてたら鬼になった。

って、妄想を一人繰り広げた。
安達ヶ原の鬼婆の影響が強いですな。一途な子への愛がどんどん逸れてゆくのです。



自分で読み返したけど、ながっ。ここまで読んでくださってありがとうございました!

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